プロジェクト実施地域
ビハール州ガヤ市スジャータ村/バサリ村

活動の背景・課題

1億人以上の人口を抱えるビハール州ですが、産業は農業が中心です。
昨今、経済成長率が高くなっているビハール州の失業率は8.3%と、インド国全体の失業率の3.8%の2.5倍も上回っていることがわかっています。
(インド労働省『Hindustan Times Patna』2012.10.11記事より)

ビハール州で仕事がない若者は、首都デリーやコルカタ、ムンバイ等の大都市に出稼ぎに出る割合が高いのですが、教育格差が歴然としているインドでは、食べていくことすらできない若者で溢れています。
その結果、犯罪に手を染めてしまう割合がほかの州出身の者よりも高くなり、出身地差別にもつながっています。

活動内容

会社に就職することは難しくても、技術を身につけることで、新たな道が拓けることもあります。
私たちは、インドの人にとって最も身近な分野において、人々が大都市に出て行かなくても、地元•地域内で働いて収入を得ることができるように導き、人々の可能性を広げたいということで、職業訓練をサポートしています。

裁縫教室

インドの女性にとって裁縫ができることは、料理ができることと同じくらい重要な要素です。
インドの女性は、サリーやパンジャビといった民族衣装を、全てオーダーメイドで自分の体にフィットさせて着るのが習慣で、実はこれにはけっこうなお金がかかります。
その裁縫を自分できるようになることは、経済的に家計の助けになるだけでなく、近所の人からも仕事を頼まれたりして、収入を得ることができるようになります。

また、インドにはダウリー(結婚持参金)制度があります。
男性の家庭が女性を選ぶ際、ダウリーの額に、裁縫ができるか、できないかということも要素として考慮されることもあるため、女性にとっては裁縫技術の習得には大変重要な意味があります。

裁縫教室は、「スジャータ・アシュラム」と名づけられたセンターで行われています。
「スジャータ」とはこの村にかつて住んでいた村長の娘の名で、2500年前、主ブッダに乳粥を捧げ、ブッダの中道の悟りのきっかけとなりました。
「アシュラム」とは、「道場」という意味で、地域の女性たちが誇りをもって学ぶことができる場所にしようということで始まりました。

ヘナ教室

女性は結婚するときに、ヘナという草の汁で、体中にさまざまなデザインの模様を描いて着飾ります。
このヘナ教室は女性たちに大人気で、上手にヘナが描けるようになると、村の結婚式でヘナを描いてお小遣いの足しにしたり、家計を助けることができます。
そのため、スジャータアシュラムでは、女性たちが熱心にヘナアートの訓練を受けています。

識字教室

農村社会では、つい最近まで、女性はほとんど学校に通っていませんでした。
そのため、お母さんとなった女性たちが、読み書きができないために買い物や病気に困ったり、騙されたりすることがあります。
識字を学ぶことは、女性たちが生きていく上で必要なことなのです。
女性たちは今まで読めなかった文字が読めるようになることへの喜びを実感し、とても生き生きと学んでいます。
識字教室は毎週1~2度、女性の講師によって開催されています。
生徒は、スジャータアシュラムに通う女性が20名程度。
1年間のコースで、ひとりひとりのレベルに応じた指導を行っています。
ヒンディー語、英語のアルファベットの読み書きも人気科目です。

コンピュータ教室

IT産業の目覚しい発展の影にも、貧困による教育の機会の不平等が浮き彫りになっています。
IT産業の盛んな南インドはじめ、IT教育を受けることができるのは、私立のIT学校に入学できる裕福な子どもだけです。
スジャータ村周辺の子どもたちにも、少しでも学ぶ機会を!ということで、村の若者とニランジャナスクールの子どもたちの両方を対象に、半年のコースでコンピュータの成り立ちから基本的なソフトウェアの使い方、インターネットやメールの使い方を学びます。
これまでに、240名以上がこのコンピュータ教室を受講しています。

支援方法について、詳しくはこちら>>

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