診療所

 

プロジェクト実施地域

ビハール州ガヤ市スジャータ村周辺の40以上の村々

活動の背景・課題

学校の先生たちが毎朝出席をとるうちに、子供たちの欠席率が高い時期があることに気づきました。
寒さや暑さがあまりにも厳しいため、子どもたちはそろって発熱、下痢、嘔吐、皮膚病などを患い、通学できないでいたのです。
経済的に困難な子どもたちが、毎日休まず学校に通い続けることは簡単なことではありません。
病院に通いたくても、医療費を払えない人々は医療機関に通うことすらできませんでした。

そんな問題を解決するため、ニランジャナトラストは2006年、まずは「モバイルクリニック(移動巡回診療)」から医療面でのサポートを開始しました。
「モバイルクリニック」とは、医師と看護師が車で村々を巡回し、具合の悪い村人の診療と、衛生教育、健康増進のための啓発活動を行うことです。

これは、医療にアクセスできない貧しい村人にとってとても意義あるプロジェクトだったのですが、ひとつだけ大きな問題がありました。
それは、多数存在する村同士の距離が遠く離れているため、ひとりの医師が同じ村を次に訪問するまでに、1ヶ月~2ヶ月の時間が空いてしまうことでした。
次の訪問までに、患者の病状が悪化してしまうことがあること、そして、緊急の患者に対応できないということが最大のネックとなり、このモバイルクリニックの形を、2007年に「無料診療所」へと移行しました。

活動内容

週に3回、診療所にて、医師が村びとを診察しています。
患者は、1日50~60人、多いときには100人を超えます。
雨季(6~10月)になると、川が増水して歩いて渡れないなど、交通手段が限られるために通うことができない患者もいます。
その一方で、遠方よりはるばるバスに乗り、1~2日かけて通う患者もいます。
初診料は14円、再診料は10円と設定していますが、特に貧しい患者からは受け取っていません。

この診療所は、「ホメオパシー療法」での診察を行っています。
「ホメオパシー」とは、今から200年前にドイツで発祥した自己治癒力による同種療法で、現在インドほか世界各地に広がっています。
近代西洋医学のように、症状を”抑え込む”療法とは正反対で、「症状を起こすものは、その症状を取り去るものになる」、「症状には同じような症状を出すものを天文学的に希釈振盪して与える」という「同種の法則」に基づいています。
ホメオパシー療法で運営するこの診療所は、地域でとても名高く有名となっています。
特に、皮膚内にできる腫瘍がよく治るということで評判で、多くの患者が訪れます。

診療所で処方される薬は、自然治癒力を促す天然成分でできているため、とても体にやさしく、かつ効果が高いとされています。
日本でホメオパシーの処方箋を手に入れるのはとても高価で難しいのですが、
インドでは天然成分の薬は生産しやすいため、西洋医学の薬と変らない値段で手に入れることができます。
最近では、物価の高騰とホメオパシー医療への注目の高まりにより、薬の価格が上がってきたため、一部の高価な薬に関しては、処方箋のみの支給という形に切り替えています。

この地域の女性たちが慢性的に抱えている病気は貧血による体調不良です。
日雇いの仕事で生活する農民などの貧しい人々は、今日はジャガイモだけ、今日はお米だけ、という生活をしているため、十分な栄養を摂取できず、貧血になりがちです。
ニランジャナスクールに通う子どもたちにも、貧血で登校中に倒れるケースが多々あります。
食事指導なども行っていますが、やはり、根本的に貧困を解決することが人々の健康を守る最善の策なのです。








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